猫の腎不全の原因や主な症状。ご飯選びや予防法、対処法など

猫の病気

このページでは、猫の急性腎不全・慢性腎不全(腎疾患・腎臓病)に関する原因や症状、治療法、対処法などをまとめています。

大切な猫ちゃんの体調管理、健康維持にお役立ていただければ幸いです。

猫
 
腎臓は血圧の調整をし、ホルモン、酵素、赤血球をつくり、老廃物の除去をする役割があります。

腎機能の低下や損失が腎不全(renal failure)といわれます。腎不全は、腎臓の機能が正常時より30%を下回った状態のことを言い、この値が10%以下になると末期腎不全とよばれます。

腎不全には大きく分けて、急性腎不全(ARF)と慢性腎不全(CRF)があります。

ネコアイコン猫の急性腎不全

数時間~数日の間に急激に腎機能が低下し、機能しなくなることで起こります。

この段階ではまだ完全に腎機能が失われたわけではないので早急な治療をすることで回復が見込めますが、遅くなると慢性腎不全を患ったり、命に関わったりする可能性があります。

急性腎不全の原因

急性腎不全は、事故やその他疾患などによる出血、急激な血圧低下、感染症、熱傷からの脱水等により起こります。

急性腎不全は起きた原因により、3つに分けられます。

腎性腎不全 中毒性によるもの。腎臓を構成する組織が損傷。
腎前性腎不全 重度の貧血やショックによる心不全によるもの。血液循環がうまくいっていない。
腎後性腎不全 尿路疾患や結石、事故などによる尿路閉塞(へいそく)もしくは損傷。
急性腎不全の症状
衰弱
(ぐったりしている)
食欲不振 体温低下 脱水
痙攣 口が臭い 下痢と嘔吐 おしっこが減る
(出にくくなる)

 

急性腎不全の治療法。回復期と予後

動物病院では緊急な治療となります。検査ののち原因に合わせて治療に入ります。健康状態により投薬、点滴、利尿剤、透析、手術等が行われ、その後も安定するまでは入院治療になります。

症状は大体1週間~1カ月です。入院期間は症状が安定するまでになるため、若干長めに考えておいた方がいいでしょう。

状況次第では、家に戻ってからもしばらくの投薬、通院が必要になることも。病気発生の前の健康状態を考慮し、フードの変更を行うこともあります。

急な対応になるため、入院・治療費等の出費はかかるものの、早急に適切な対応をすれば完治が見込める病気でもあります。気になる症状があればすぐに獣医師に相談しましょう。

ネコアイコン猫の慢性腎不全

慢性腎臓病(CKD)は数カ月~数年単位でゆっくりと腎機能が衰え、失われていく病気です。機能が衰えてしまった腎機能が戻ることはないため、病気の悪化と進行を遅らせることが、長く健康に暮らすためのポイントになります。

腎不全は、多くの猫が加齢により抱えやすい疾患です。高齢と呼ばれるのは7歳頃からです。さらに10~15歳では腎臓の病気発症率は2倍になるといわれています。

慢性腎不全の原因

「AIM」と呼ばれるたんぱく質が十分に機能せずに起こるといわれていますが、なぜ猫だけがそれに該当するのかまだよくわかっていません。

他には糖尿病や、加齢等による基礎疾患などが多く見られます。

また血統的に長毛種のペルシャ、アンゴラなどの品種は発症しやすいといわれています。

慢性腎不全の症状

これらは腎機能能力が25%以下まで低下しないとみられませんので、気付くのが遅れるケースもあります。

  • 衰弱(なんとなく元気がない、疲労感、ぐったりしている、弱っている)
  • 皮膚のかゆみ(かきむしる、カサカサしている、かいて血が出ている)
  • 被毛の荒れ(毛づやが悪くなる)
  • 食欲不振および体重減少(食欲減退)
  • 口が臭い(歯肉炎、内臓の悪化による口臭)
  • 下痢と嘔吐
  • おしっこが増える(多飲多尿)

慢性腎不全の治療法。予後や末期

動物病院では検査ののち、病気の進行具合に合わせた治療となります。主に腎臓の負担を減らすための食事療法、投薬等になります。これらは生涯にわたって必要となるケースがほとんどです。

健康状態が安定すれば自宅で暮らしながら通院することになります。徐々に進行する病のため、末期になると衰えも顕著にみられます。

長期にわたる通院、投薬、食事療法が必要となるため、出費はそれなりに大きくなりますが、それだけ愛猫と一緒に暮らせる時間も長くなります。

近年では猫の腎不全用の治療薬、食事療法食も研究が進み、発病後も長く元気に過ごしている猫ちゃんがたくさんいますので、獣医師とも相談し最善の治療・食事療法を行っていきましょう

ネコアイコン急性腎不全・慢性腎不全の予防法

1.定期的な健康診断

高齢といわれる7歳ごろから半年~年1回程度の血液検査・健康診断(人間でいうところの人間ドック)を定期的に受けておくことで早期発見・治療・予防につながります。

また、先天性疾患等がある場合はより健康状態への配慮が必要になりますので、かかりつけの動物病院で相談してみましょう。

2.ワクチンの接種

ワクチンは感染症を防ぐためのもので、猫の場合は3種~7種の混合ワクチンがあります。室内飼いであっても感染力の強い3種は受けておいた方がいいといわれています。

価格は動物病院にもよりますが3,000円~ほどで、成猫であれば年1回の接種が推奨されます。詳しくは別ページにある、猫のワクチンに関する記事を参照してください。

3.適正なフードの給与

キャットフードは多種多様ですが近年は健康志向のものが多く、病気の予防のために選ぶ飼い主さんが増えています。

総合栄養食と呼ばれる日常用のフードも年齢別や悩み別に分かれているので、健康診断で腎臓の数値が少し気になるようになってきたら、それに関する食事を選ぶなどしてみましょう。

これらは準療法食などと呼ばれており、当サイトでも腎臓向け準療法食のまとめページを用意していますので、ぜひフード選びにお役立てください。

 www.neko-ex.com
猫の病気と療法食
―愛猫の健康生活をサポート!―

4.ペット保険への加入

これは病気への予防ではありませんが、健康な時点で加入しておくことで病気になったあとの通院治療費用負担を減らすことができます。

あまり高齢になると加入できなくなるのでご注意。

数十社ありますので、自分と愛猫にあったものを選ぶといいでしょう。

ネコアイコン腎不全の対処法

1.食事療法

腎不全と診断されれば、腎不全向けの特別療法食の給与が必要になります。療法食は一部インターネット通販でも購入できますが、動物病院専用のため、必ず獣医師の指示のもと扱うことになります。

腎臓疾患向け療法食はこちらのページで紹介していますので、確認してみてください。

中には、アレルギーに配慮したものやリキッド状のもの、シリンジやチューブで直接与えられるものなどがあります。

2.通院・治療・投薬・検査

腎不全は予後を悪化させないためにも、長期にわたる対処が必要です。これらは生涯にわたって行うこともあります。

飼い主さんも、猫ちゃん自身にもなかなか大変なことではありますが、しっかりと病気と向き合っていきましょう。

ネコアイコン猫の腎不全のまとめ

  1. 腎不全は腎機能が衰え、動かなくなることを言う。急性と慢性がある。
  2. 原因は事故や病気による感染症、ショック、他の疾患など。
  3. 急性であれば早期治療による回復が見込める。慢性であれば腎臓負担を減らし進行を遅らせる。
  4. 予防は定期的な健康診断、ワクチン接種、適切なフード選び。
  5. 治療法は主に投薬、腎不全向けの特別療法食の給与。
  6. 長期にわたる通院・治療・経過観察・食事療法が必要になる。費用負担を減らすペット保険への加入もしておきたい。

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